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注目を浴びるUGGのスニーカー

藤原 綾さんフリーエディター/ライター
藤原 綾さん

フリーエディター/ライター。
出版社での女性誌編集部を経て、2007年にフリーの編集者として独立。
以後、『sweet』や『SPRiNG』などの女性誌、コレクションブランドからストリートブランドのムック本やカタログのビジュアル制作を手掛けるなど幅広いジャンルで活動中。手掛けた作品は数百冊に及ぶ。

そのはき心地、ズルすぎます!

買ったはいいけど、微妙に当たる部分があったり、なんだかはき心地が悪かったりで、結局はかないという失敗を重ね、靴をネットで購入するのは私にはちょっとハードルが高め。でも、サイズもはき心地もわかってるブランドなら問題ありません。UGGのブーツやスニーカーもそのひとつ。安定の定番ブランドです。

2000年代にUGGが大流行したとき、私ももれなく定番のムートンブーツを手に入れました。あの、足を入れたときの快感たるや! 素材から体温を感じるような、子どものころの記憶を呼び覚ますような……その一瞬が忘れられずに、ルームシューズは今でもずっとUGGを愛用しています。素足で触れる厚みのあるムートンは、ふわふわで、じんわり暖かくて、今では手放せない存在です。セロトニン、ブシャーです。

CLASIC MINIを買ったあと2足目に選んだのは、今はなきモデルの編み上げブーツ。インソールはクッション性のあるフットベッドで、シープスキンじゃなくてもいい! と感動したことを覚えています。

そして、今注目しているのがUGGのダッドシューズ。
UGG=ムートンブーツというのは今は昔、多彩なラインナップを揃えたシューズブランドに進化し、今でも世界中から愛されています。ということで、今回はUGGのヒストリーを振り返ってみましょう!

不格好なブーツが一流モード誌に

もとのもとを辿れば、UGGブーツの誕生は1920年代。羊の毛刈り職人が、足を羊の毛皮で適当にくるんだのが始まりです。この不格好なブーツがUGLY(出来の悪い)ブーツと呼ばれ、それが「UGG BOOTS」と略されるようになります。
農夫の履物だったUGGブーツは、その優れた保温性から、第一次世界大戦中は、極寒の機内でパイロットが足元を温めるために使用されました。

1960年代になると、オーストラリアの西海岸で、サーファーやスイマーたちが、水から上がったとき足を冷やさないようにUGGブーツを使用するようになります。その存在に気付く人もじわじわと増加。今はSNSであっという間に拡散されますが、この時代は口コミだけ。いいものだけが口伝えに広がっていきます。

1970年代には、その人気は大陸を横断して東海岸へ。夏はサーフィン、冬はスキーを楽しんでいた人たちが、熱いビーチの砂浜だけでなく、凍てつく寒さの雪山でも使用するように。そして、オーストラリア人のサーファー、シェーン・ステッドマンは、吸水性に優れた羊毛を内張りにしてシープスキンブーツの形を考案。UGH-BOOTSとして商標登録します。

70年代も後半になると、UGGブーツはオーストラリアやニュージーランドのサーファーの間ですっかり人気者に。そしていよいよ、これまたサーファーのブライアン・スミスが、UGGブーツをアメリカに持ち込みます。これを流行に敏感なカリフォルニアのサーファー達が黙ってみているわけもなく……。南カリフォルニアカルチャーのアイコンとして、西海岸のあちこちのサーフショップで一躍人気アイテムとなって、世界に名を馳せる上質なシープスキンブーツブランド「UGG Australia」が誕生しました。

90年代には、既にサーファーの間ですっかり定番になっていたUGGブーツですが、1995年にブライアン・スミスがデッカーズ社に売却したことで、新たな展開が始まります。

ケイト・ハドソンやシエナ・ミラー、サラ・ジェシカ・パーカーといった女優陣に加え、ケイト・モスをはじめとしたおしゃれモデル、さらには今でいうインフルエンサー的存在のパリス・ヒルトンやニコール・リッチーなど、ありとあらゆる海外セレブがUGGブーツを愛用し、その私服写真が世界中に広まりました。
そして、羊毛の毛刈り職人の足元を温めていた不格好なブーツが、時を経て「VOGUE」の紙面を飾るまでになったのです。

ジャンルを超えてラブコール!

その頃日本では空前の海外セレブブーム。「UGG Australia」も必然的にその人気が加速していきます。モードなお姉さんも、ナチュラル派も、ギャルも全部巻き込んで、“みんな足元はUGG”現象が席巻しました。それまでのヒールや厚底が消えていき、靴は楽ちんが重視されるように。UGGの登場が足元のトレンドのターニングポイントになったといっても過言ではないかもしれません。

LAスタイルも、日本に輸入されると現地のものとはちょっと変わった形に。ゆるいスタイルというよりも、海外セレブ=LAスタイルという理解になり、携帯のデコが流行ったり、ネイルアートが進化したり、キラキラしたスタイルとして広がっていきました。
本来のサーフカルチャーも影を潜めていましたが、ロンハーマンの登場によって、日本でのシーンが変わっていきます。

LAスタイルの発信地、KITSONが閉店し、時間の経過とともに、服に“癒し”が求められるようになってきました。ジミーチュウのピンヒールよりも、コンバースのスニーカー。肩肘を張って着る服よりも、肩の力を抜いて着る服。ノームコアを経て、ここ数年も“エフォートレス”というキーワードは健在です。

その間、UGGは初の直営店をソーホーにオープン。日本では表参道ヒルズに、さらにヨーロッパにも進出。ラグジュアリーのイメージを強めていきます。
2009年には、それこそジミー チュウとタッグを組んでカプセルコレクションを発表。「ジミー チュウ以外で持っているフットウェアは、本当にUGG Australiaだけなんです」と本人に言わしめたほど。

そんななか、日本の若者の間では、90年代ストリートを中心に、昭和レトロも注目されて自由な表現が広がっていきました。そこでまた日本の若者とUGGが融合します。
最近、UGGのスニーカーが熱い熱い視線を浴びているんです。
時代の流れを丁寧に汲み取ったUGGが発表したボリューム感満点のダッドスニーカー。これがブームに乗って、ファッション好きのハートを打ち抜きました。

ダッドスニーカー初心者も、普段のスタイルに合わないと諦めていた人も、これならしっくりなじむはず。おすすめの3スタイルは選ぶのに頭を抱える優れものばかりです。

手に入れるべし! UGGのダッドスニーカー

UGG
ニュートラ スニーカー
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ひとつ目はこちら! ボリュームソールと、UGGのロゴを大胆に配したスリッポン型の「ニュートラスニーカー」。
ロスのストリートから着想を得ているということで、スポーティど真ん中のアイテムを合わせるより、ジャンプスーツなど少しひねりをきかせたアイテムが似合います。
足にフィットするネオプレン素材が、モードなネオストリートにハマりそう。

UGG
リブ
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なめらかで光沢感のあるレザーのアッパーが特徴の「リブ」は、その軽さも魅力。
クッション性があるアウトソールで、グリップ感を感じさせてくれます。キレイめボトムと合わせれば、品を崩さず程よい外しに。スウェットパンツに合わせれば、ラフさを抑えてシックに見せてくれる効果が。
存在感はあるけどシンプルなので、幅広いスタイルで重宝します。

UGG
LAデイズトレーナー
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「LAデイズトレーナー」は、着脱が簡単なプルトグルを採用。
サイドのロゴがビッグサイズでも、同色なのでデザインに溶け込んだ控えめな印象です。
ガーリーなワンピースに合わせてもハマるし、スポーティさを活かして、あえてトラックパンツと真正面からぶつけるのもあり! 足元に重心をおくことで、さりげなく細見えにも期待♪

モノトーンでシックにはけるUGGのダッドスニーカーなら、今の空気感を感じさせつつ、歩きやすさもお約束。はき心地のよさは変わらず、進化し続けるUGGから今後も目が離せません!

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