見出しに戻る

一覧ページに戻る

カーハート

2020.6.3

ブレイク中のスポーツサンダル
NIKE キャニオンサンダル

メンズファッション誌
「smart」元編集長
佐藤 誠二朗さん

メンズ雑誌「smart」をはじめ、これまで多数の編集・著作物を手掛けている佐藤さん。
2018年11月には「ストリート・トラッド 〜メンズファッションは温故知新」が発売。
こちらを本屋で見かけて読まれた方もいるのでは!?
そんな佐藤さんが当店の取り扱いアイテムをコラムで熱く語ってくれるコーナーです!
実はあまり知られていないブランドの歴史などもこれを見れば知ることができるかも!?

ブレイク中のスポーツサンダル

昨シーズン発売されるや瞬く間に大人気となり、サイズによってはどのお店でも軒並み完売。いくら欲しくてもなかなか買うことができなかった、スポーツサンダルのスマッシュヒット商品をご存知でしょうか?
NIKEの「キャニオンサンダル」です。

スポーツサンダルというのはもともと、アウトドアやレジャー用に開発されたサンダルのこと。アメリカ・カリフォルニアのアウトドアブランドTevaが、主に水辺のアクテビティで使用することを想定し、1984年に発売したサンダルを原点としています。
アッパーに施された複数のベルトによって、ソールを足にしっかり固定するのが特徴のスポーツサンダル。
既存のサンダルの“楽だけど不安定で脱げやすい”という宿命的問題を解決したため、海・山・川でのアクテビティやキャンプ&バーベキュー、旅行、音楽フェスなどのアウトドアシーンを中心に、80年代から90年代にかけて一気に普及します。

スポーツサンダルをアウトドアシーンだけではなく、上手にタウンユースするスタイルは以前からありましたが、本格的なトレンドになったのは2010年代中頃のこと。
アウトドアミックススタイルが人気となり、スポーツサンダルも日常のおしゃれアイテムとして、“街”へ本格的に進出します。
以降、履き心地が良くておしゃれなスポーツサンダルは、タウンユースのファッションアイテムとしてすっかり定着しました。

一方でここ数年、漫画作品名から一般名称化した“ゆるキャン”という言葉が象徴するように、アウトドア遊びのハードルがぐんと下がり、今まで縁のなかった人も続々と参入する傾向が見られます。
アウトドアシーンと日常との境目がどんどん薄くなっていく状況を追い風とし、NIKE「キャニオンサンダル」は大ブレイク状態になったようです。

キャンプbild:Kyle Van Horn, flickr.com, CC BY 2.0

キャニオンサンダルの魅力とは

スポーツサンダルは、一般的なサンダルのペラペラなものとは異なる、しっかりしたハイテクソールを有していることが大きな特徴です。
そのソールはベルトによって足裏に密着する構造なので、走ることもできれば、砂や岩などの荒地を難なく歩くこともできます。
スニーカーのそれのようにクッション性の高いソールは、長時間歩いていても疲れにくいという特性を持っています。
そうした機能性だけでなく、スポーツサンダルはデザイン性にも優れているので、コーディネートのアクセントにしやすいもの。
快適性とアクティビティ性、そしてファッション性を同時に味わえる魅力的なアイテム、それがスポーツサンダルなのです。

そんなスポーツサンダルの魅力や利点が最大限に詰め込まれたのが、NIKE「キャニオンサンダル」です。
ソールに大きく厚みをもたせたボリュームあるフォルムはトレンド感を漂わせるとともに、快適な履き心地をもたらしてくれます。
アウトソールに深く刻まれたフレックスグルーブ (溝) と大きなラグ(突起) の組み合わせは、安定した着地感をサポート。つま先とかかと部分に配されたラバーは地面をしっかりグリップするとともに、ソールの摩耗を低減します。

密度の異なる2種類のフォームが施されたミッドソールは足裏に柔らかな感触を伝え、長時間の快適な歩行をサポートしてくれます。
通気性と耐久性に優れたテキスタイルのアッパーには、計三箇所にアジャストベルトが施されています。このベルトは面ファスナー仕様のためワンタッチで調整でき、脱ぎ履きしやすいうえ、簡単に心地のよいフィット感を得ることができます。

全体的なデザインは飽きのこないシンプルなものですが、シュータンやベルト部分にあしらわれたNIKEロゴとスウッシュがアクセントになっています。
レジャーにも旅行にも日常使いにも使える万能選手なので、一足手に入れればきっと、あなたの良き相棒として長い付き合いになることは間違いありません。

ナイキロゴbild:Josh Hallett, flickr.com, CC BY 2.0

ストリートスタイルとサンダル

何を隠そう私は、大のサンダル好きです。
この項はそんな私の個人的な「サンダル観」を書くので、不要と思う方は読み飛ばしていただいて結構。
と、お断りしたので遠慮なく書いてみたいと思います。

いつもゆるゆるな格好でいることが許される、フリーランスの物書き稼業ということもありますが、暖かな季節になるとほとんど毎日をサンダル履きで通します。
根っからのサブカル派オヤジである私がサンダルにこだわる理由は、ストリートスタイルにおけるサンダル履きには、深い意味があるからです。

サンダルを日常のワードローブとして初めて採用したのは、1950年代中頃のアメリカ・ニューヨークのグリニッチビレッジやカリフォルニアのバークレーに集った、“ビートジェネレーション”の若者でした。
ジャック・ケルアック、アレン・ギンズバーグ、ウィリアム・バロウズといった文学者が先導したビート思想は、第二次世界大戦後に醸成された、若年層の社会に対する絶望感をバックボーンに形成されました。
大戦が終わり平和な時代になると思いきや、朝鮮戦争やベトナム戦争が始まり、資本主義陣営と共産主義陣営の対立が激化。当時のアメリカは、共産主義者ばかりか思想的にリベラルというだけで弾圧される重苦しい空気に覆われていました。
そんな現代社会を否定し、アメリカ開拓時代の純粋なフロンティアスピリッツに回帰することを根本理念とするのがビートです。

ビートジェネレーションの若者たちは、伝統社会へ反旗を翻す意思を示すため、ファッションに対してはあえて無関心・無頓着を装います。そして“自由な自分”の表現として、屋外を裸足で歩くことを好み、敢えてのサンダル履きを選択しました。
ビートの思想はその後の1960年代に花開くヒッピーに受け継がれたため、彼らもまたサンダル履きが多かったようです。

蘊蓄好きな私は、サンダル履きをする際はいつも、半世紀以上も前に生きた彼らの反骨精神に思いを馳せます。
私にとってサンダルとは、社会へのカウンターを表現する知的で自由な履き物なのです。

半世紀以上前bild:John Atherton, flickr.com, CC BY-SA 2.0

急いで買うべきトレンドアイテム

あれは確か、スポーツサンダルがタウンユースで定着した4〜5年前のことです。
靴下とサンダルを合わせるのが流行って定番化。今もそういう履き方をしている人は多いと思います。
その一方で、スポーツサンダルはあくまでもアウトドアスタイルに合わせ、必ず裸足で履くと決めている人も多いでしょう。

NIKE「キャニオンサンダル」は、あらゆるスポーツサンダルの中でも特に洗練されたデザインのため、様々なスタイルに使い回ししやすい万能アイテム。コーディネートを自由に楽しめるのがいいところなのではないかと思います。

せっかくの大人気アイテムを履いているわけですから、コーディネートの中で強調したいところです。
そのためには足元が露出するクロップドパンツや、ショートパンツと合わせるのがいいでしょう。
抜け感や涼しさを求める場合は裸足で履く方がいいと思いますが、コーディネートをより楽しむためにはソックスを合わせるスタイルがおすすめです。

前述のとおりサンダルを偏愛する私は、夏場になるとどんな遠出でも基本はサンダル履きです。そして数多く保有しているサンダルの中で、ビーサンのようにパタパタしないスポサンは少し格上。自分の中ではややフォーマルなサンダルという位置付けにしています。
でも裸足で履くとカジュアル感が強く出すぎるので、状況に応じてソックスを履くようにしています。

ソックスを履くと、コーディネートのアクセントにしやすくなります。
ソックスの色や柄、長さなどを工夫して組み合わせれば、ひとつのスポーツサンダルが色々な表情を見せてくれることにも気づくと思います。

裸足派の人はよりフランクな雰囲気を出せますが、気をつけねばならないことがあります。普通のサンダルと比べ、「キャニオンサンダル」のようなホールド性の強いスポサンは、足の裏がソールに密着します。
毎日の履く前と脱いだあと、制汗剤や消臭スプレーを一吹きし、清潔に保つべきでしょう。

NIKE「キャニオンサンダル」は今年も人気継続中で、これからのシーズンに品薄となることは必至。
昨年、泣く泣くあきらめた人も、今年はじめてこのサンダルの存在を知ったという人も、争奪戦になる前にとにかく急いで購入することをおすすめします。

ソックスを合わせるスタイルbild:Michael Coghlan, flickr.com, CC BY-SA 2.0

NIKE
キャニオンサンダル

ブリリアント キャニオン サンダル
ブリリアント キャニオン サンダル

NIKEの
おすすめサンダル

ブリリアント ビクトリー ワン スライド
ブリリアント アスナ スライド
ブリリアント ビクトリーワン シャワー スライド
ブリリアント オフコート スライド

NIKE一覧へ

TOPページに戻る