見出しに戻る

一覧ページに戻る

4つのユニークなバッグブランド

2022.6.29

“ビジネスユース向け”4つのユニークなバッグブランドを紹介!

佐藤 誠二朗さんメンズファッション誌
「smart」元編集長
佐藤 誠二朗さん

メンズ雑誌「smart」をはじめ、これまで多数の編集・著作物を手掛けている佐藤さん。
2018年11月には「ストリート・トラッド〜メンズファッションは温故知新」が発売
こちらを本屋で見かけて読まれた方もいるのでは!?
そんな佐藤さんが当店の取り扱いアイテムをコラムで熱く語ってくれるコーナーです!
実はあまり知られていないブランドの歴史などもこれを見れば知ることができるかも!?

ミル・スペックのBRIEFING

まずはこちら。1998年に創業したブリーフィングです。

ブリーフィングはアメリカのブランドと勘違いされていることが多いようです。
でも実はここ、日本の企業が立ち上げた純ジャパニーズブランド。
アメリカのブランドと思われがちなのは、すべてのアイテムに「Made in USA」のタグがつけられているからではないかと思います。

ブリーフィングはブランドの立ち上げ当初から、アメリカ国防総省が定める軍用装備品の耐久性に関する規格で、世界的な信用基準になっている“ミル・スペック”に準拠する頑丈なバッグの製造を目指しました。
そのため、アメリカ軍用品を扱う本物の軍需工場を製造拠点と定めます。

ミル・スペック
photo: Mesa Tactical

メイン素材として使用するのは、耐摩耗性が非常に高いバリスティックナイロンです。
バリスティックナイロンとは、1050デニールという超厚番手の糸を籠の目状に織って耐摩耗性を高めたナイロンで、アメリカの警察官が着用する防弾チョッキやガンケースにも使われている素材です。
ファスナーやストラップ連結部などのパーツも、耐久性に優れた頑丈な素材を選択。
こうして他の追随を許さぬほど強靭な、“ミル・スペック”のバッグができるわけです。

とはいえ、ブリーフィングのバッグは決して軍用品ではありません。
ミリタリーものそのままでは、街で使うとオーバースペックになってしまうので、ほどよく引き算をし、タウンユースになじむスマートなデザインと機能性に落とし込まれている点がブリーフィングバッグの魅力です。

デザインで目を引くポイントは、すべてではないものの多くのアイテムに施された赤いステッチです。
このステッチはブリーフィングのシンボルになっていて、このブランドの信頼性の証のような役割を担っています。

機能性に裏打ちされた、飽きのこない洗練されたデザインと、その卓越した耐久性によって、ブリーフィングのバッグはまさに“一生もの”と言えるような価値あるものと認識されています。
一度買ったら長い付き合いになることは間違いないでしょう。

【ブリーフィング グラビティーパック】
【ブリーフィング A4 3ウェイライナー】
【ブリーフィング プロテクション トートバック】

堅牢さを受け継ぐSAMSONITE

アメリカのブランド・サムソナイトは、ジェシー・シュウェイダーという若者が母親の貯金3500ドルだけを元手に、コロラド州デンバーにトランク製造会社を設立したことからはじまります。
それは今から110年以上さかのぼる、1910年のことでした。
創業の理念はシンプルで、“どんな過酷な旅にも耐えうる頑丈なトランクを製造する”というもの。
その頃のアメリカはゴールドラッシュにわいていて、国内のみならずヨーロッパからも一攫千金を夢見る人々が集まり、過酷な旅をしていたのです。

創業からまだ間もない頃のものでしょう。
ジェシーと3人の兄弟、そして彼らの父親が、自社製品のトランクの上にわたした板の上に立つ写真が残されています。
そんな驚きの方法で対外的にアピールしたくなるほど、サムソナイトのトランクは初期から頑丈だったようです。

そのうえデザインも美しかった同社のトランクは、瞬く間に評判になっていきます。
そしてジェット機の時代になった1958年には、新素材を使った「シルエット」というモダンなデザインの商品を発売します。
この画期的な商品は世界中で爆発的なヒットを記録し、サムソナイトはスーツケースの代名詞のような存在になるとともに、「シルエット」は他社を含めた今日のあらゆる旅行用スーツケースの雛形になりました。

サムソナイト
photo:Don O'Brien

そして今回ご紹介するのは、コスモライトというスーツケース。
こちら、現在のサムソナイトの主力商品です。

サムソナイトが独占使用する「カーヴ」と名付けられた革新的素材を採用することによって、驚くほどの軽量化が実現されているコスモライトは、創業以来の命題である耐久性もしっかり確保されています。
どれほど頑丈かといえば、サムソナイトの公式HPで、車が正面衝突しても壊れない(車のフロント部は壊れたのに)という実験結果が公開されたほど。
創業時のトランクは4人の男性の体重に耐えうる程度の頑丈さだったことを思えば、これはえらい進化だと言えるでしょう。

コスモライトのデザイン上の大きな特徴は、貝殻のようにも見える表面の美しい凸凹。この凸凹によって摩擦を受ける面積が減り、強度はさらに高まっています。
時代とともに進化してきたサムソナイトの最新形態であるコスモライトは、旅行や出張などあらゆるシーンでガンガン使えるスーツケースなのです。

【サムソナイト コスモライト3.0 スピナー 81】
【サムソナイト コスモライト3.0 スピナー 86】

月に行ったZERO HALLIBURTON

1938年創業のアメリカブランド・ゼロハリバートンは、アール・P・ハリバートンという人物によって立ち上げられました。
彼はもともと、世界を駆け巡って仕事をするエンジニアだったそうです。
それまでの自分の旅経験から、旅行用バッグにまず求められることは、砂や埃の汚れから中の荷物を守ることだと考えていたハリバートン。
航空機設計会社の協力を得て、カルフォルニア州を拠点にジェラルミン製ケースの開発に着手します。

完成した世界初のアルミニウム製バッグを発表すると、その斬新なデザインと機密性の高さに、世間の人たちはあっと驚いたそうです。
これまでに類を見ない高次元の密閉性・強度・耐久性はたちまち評判となり、ゼロハリバートンは順調に事業規模を拡大していきます。

アタッシュケース
photo: BenFrantzDale

そして1969年には、その成長にターボをかけるような出来事まで起こりました。

有人月面着陸を目指すアポロ計画の備品として、ゼロハリバートンのアタッシュケースが採用されたのです。
月面に足跡を残した宇宙飛行士が携えたゼロハリバートンのアタッシュケースは、月の石を持ち帰るために使用され、人類史にその名を刻むとともに、一躍世界の脚光を浴びる存在になります。

様々な環境下に対応する堅牢さはもちろん、トレンドに合わせたデザイン性や実用性も兼ね備え、現在も多くのファンに愛されるゼロハリバートン。
今日では代名詞のアタッシュケースだけではなく、キャリーケースからバックパック、ブリーフケース、トートバッグなど様々なバッグがラインナップされていて、そのどれもが圧倒的な魅力を放っています。

デザイン上で特に際立つのは、さまざまな形態のバッグに共通する、本体部分の二本のラインでしょう。
アタッシュケースから引き継がれるこの目立つシンボルは、ゼロハリバートンという優れたバッグを持つことの満足感を引き出す役割を担っているのかもしれません。

【ゼロハリバートン EDGE LIGHTWEIGHT COLLECTION】
【ゼロハリバートン THE JOURNAL COLLECTION BACKPACK SMALL】
【ゼロハリバートン THE JOURNAL COLLECTION 3WAY BAG】
【ゼロハリバートン THE JOURNAL COLLECTION NYLON TOTE】

GASTON LUGAの意外な命名

ガストンルーガとは、2016年に創業したスウェーデン・ストックホルム発の新興バックパックブランド。

カール・サンクヴィストはあるとき旅に出て、出先でひとりのフランス人旅行者と出会います。

スウェーデンに帰国したカールは、すぐに独自のブランドを立ち上げます。
そこで思いついたのが『ガストンルーガ』。
カールがブランドを立ち上げるきっかけとなった、旅先で出会ったフランス人の名前です。
エレガントな雰囲気さえ漂う洗練されたバックパックなので、スーツスタイルのビジネスシーンでも違和感なく使えます。
シンプルデザインなので使うシーンを選ばず、タウンユースにもなるし、小旅行やアウトドアシーンでも使えるでしょう。
この汎用性の高さが、ガストンルーガの最大の魅力です。

使われている素材はさまざまですが、レザー製の場合は環境やアニマルライツに配慮したヴィーガンレザーを使用しています。
取引に際しては、発展途上国の原料や製品を適正な価格で継続的に購入するフェアトレードに徹するなど、SDGsの思想に即した配慮がなされていて、そこもブランドの高い評価につながっているようです。
創業者カール・サンクヴィストがものづくりにあたって強く意識していることは、“身に着けて誇れるようなものをつくること”なのだそうです。

今回紹介してきたほか3件のブランドと比べると、ガストンルーガの知名度はまだ高くありませんが、これからの伸び代が非常に大きなブランドですので、ぜひ“先物買い”を!

SDGs
【ガストンルーガ スプラッシュ13】
【ガストンルーガ スプラッシュ16】
【ガストンルーガ プローペル】
【ガストンルーガ クレッシー】

バッグ一覧はこちら トップページへ戻る