大切な方へのプレゼントだったりコーディネートのアクセントとして
普段何気なく身に着けているリングですが、どうやって作られているか知っていますか?
リングができるまでには様々な工程が必要です。
今回は、一体どのような流れをたどってハワイアンリングができるのかを紹介します。
そもそもどうして今回のような記事を書くに至ったか。
その理由は、お客様から寄せられた1つの質問がきっかけでした。
「リングにある境目は何ですか?」
リングの製造方法を知らない方にとっては何か良くない物なんじゃないかと不安になる方もいると思います。
ミリオンベルのリングをお買い求め頂くお客様に安心して頂けるように、ハワイアンリングはどのようにして作られているのか順を追ってご説明させて頂きます。
今回はこのシルバーの板をハワイアンリングにしていきます。
まずはリングを作るうえで必要な部分の板の長さを計測、糸鋸を使って切断します。
切断したシルバーの板に火入れをしてなましていきます。
職人さんの目利きによって十分に熱が入ったことが確認できたら、水の中に入れて冷ました後、切れ目にやすりがけをします。
「なます」とは、元となる金属に火入れをして熱を加えたのち、急激に冷やすことによって金属を柔らかくする方法です。
これをすることによって、金属を曲げたり加工することが簡単になります。
なましたシルバーの板をリングの形に成形していきます。
鉄芯棒にシルバーの板を押し当てるようにして手の力で丸くします。
十分に円に近づいてきたらここで木槌の登場です。
丸みに合わせてリングの繋ぎ目になる部分を木槌で叩いて丸に調整していきます。
糸鋸を使って繋ぎ目のすり合う部分を平らにします。
リングのロウ付けを行います。
1:繋ぎ合わせたい部分にロウを置きます。
2:火を当ててロウを溶かします。
3:水に入れてしっかり冷却します。
4:切り口の端と端がくっついてリングらしい形になりました!
※ この端と端がくっついたところがリングの境目になります。
「ロウ付け」とは、金属と金属をロウと呼ばれる合金を使って溶接することを言います。
ジュエリーの修理の際にもよく用いられる方法です。
ロウは火で炙ると溶接した部分は白っぽく、その周りは酸化して黒ずみます。
なので酸洗いをしてリングをピカピカに磨いていきます。
1:専用の薬品にリングを2~3分つけ置きします。
2:ブラシを使ってリングをピカピカに磨きます。
3:リング内側のロウ目(溶接部分)を整えます。
4:リングが鏡面のようにキレイになりました!
いよいよここからラストスパート。
鉄芯棒にリングをはめたら木槌で叩いて形を真円に整えます。
やすりがけをしてリング全体にある小傷を取り除きます。
側面、外側を紙やすりで、内側をバフ研磨をして全体的にむらなくキレイに磨き上げます。
研磨したリングを1度水につけて洗浄します。
シルバーの艶がキレイなリングができました!
これで研磨は完了です。
リング製作の最後の工程です。
ハワイアンリングの1番の肝である彫刻を全体に施して完成です。
リングの作り方には、金属の塊を叩いてプレート上に伸ばし、丸めてリングの形状にしていく「鍛造」と溶けた金属を型に流し込んで成形する大量生産に特化した「鋳造」の2種類の作り方があります。
ハワイアンリングを作る際のポイントでもある鍛造は、金属を叩いたり圧力を加えて余分な空気を抜くことによって、金属自体の密度を高めているため、より硬い金属を作ることができる製造方法です。
強度が増した頑丈なリングは変形にも強く、表面の硬度も高くなるため磨いた際の輝きも強くなる他、ハワイアンジュエリーの特徴である彫り模様も圧倒的に美しくなります。
鍛造を用いて作られるハワイアンリングは、時間や手間、技術を要する分、できあがったものは職人さんの技が光る素晴らしいリングになっています。
当店の公式YouTubeチャンネルでもハワイアンリングができるまでの動画を公開中です。