ハワイアンジュエリーのルーツを辿っていくとその歴史は17世紀後半、今から100年以上前にまで遡ることになります。

日本は丁度まだ江戸時代の頃、当時のイギリスでは「センチメンタル・ジュエリー」と呼ばれるゴールドジュエリーが流行していました。
この「センチメンタル・ジュエリー」がハワイアンジュエリーの原点と言われています。

センチメンタル・ジュエリーとは、家族や友人、亡くなられた方への愛情や思い出を表現したジュエリーのことです。
「愛する人との永遠を誓うジュエリー」として愛の言葉やイニシャルが彫られていたり、ハートや天使・鳩・蛇・勿忘草など様々なモチーフがあしらわれたデザインがあります。

そうして時は少し流れ、舞台は19世紀後半に移ります。

芸術などあらゆる分野が発展を遂げていた1861年。
当時のイギリス王室のヴィクトリア女王が最愛の夫であるアルバート公を亡くされました。

葬儀の際、ヴィクトリア女王はアルバート公を想い喪服と一緒に「センチメンタル・ジュエリー」のような黒をあしらった喪中用のジュエリーを身に着けました。

そんな女王陛下のお姿を見て、国民もその行動に倣い「ヴィクトリアン・モーニング(哀悼の意)・ジュエリー」として黒のジュエリーを身に着けたそうです。

それから3年間、宮廷では黒をあしらったジュエリーのみが着用を許され、やがてその話はイギリス中に広がっていきました。

場所は変わり、19世紀後半のハワイではハワイ王国第7代カラカウア王が治世を敷いていました。

当時のカラカウア一族の王女、リリウ・カマエカハ大酋長(後のリリウオカラニ女王)は世界の動きや流行にとても敏感な人でした。
ハワイア王室はイギリス王室ととても深い関係にあったこともあり、イギリスの情勢や「ヴィクトリアン・モーニング・ジュエリー」の動きに非常に影響を受けたそうです。

ヴィクトリア女王とも親交が深かった彼女はアルバート公の死をとても悲しみました。

そこで「ヴィクトリアン・モーニング・ジュエリー」に倣い、喪に服す気持ちを込めて黒のエナメルで「HO,OMANA,OMAU(ホ・オマナ・オマウ)」という文字が刻まれた金のブレスレットを作らせました。
この時、イギリスでは喪中用として伝統的だった渦巻き模様(スクロール柄)のデザインをブレスレットに採用し、一生涯身に着けていたと言われてます。

ヴィクトリア女王とアルバート公を想いオリジナルの「ヴィクトリアン・モーニング・ジュエリー」を作ったというわけなのです。
この出来事がハワイの人々にも次第に広がっていき、ハワイアンジュエリーの原点が根付いていきました。

余談ですが彼女が黒のエナメルで彫らせた「HO,OMANA,OMAU(ホオ・マナオ・マウ)」という言葉、実は意味こそ似ていますがハワイと日本では訳し方が違っているんです。
ハワイでは「いつも覚えている」、日本では「永遠なる想い / 思い出」と訳されています。

「ヴィクトリアン・モーニング・ジュエリー」の他にもう1つハワイアンジュエリーが広がったきっかけとして起きた出来事があります。
それはハワイ独自の文化である愛する人や大切な人へ愛と願いを込めてジュエリーを贈る習慣です。

19世紀後半の1893年。

ハワイのトラディショナルソングである「アロハオエ」の作者でもあったリリウオカラニ女王。

イオラニ宮殿で行われたプレゼンテーション・プログラム作成を手伝ってくれたイギリス人の恩師、ゾイ・アトキンソン女史(宮殿の近くにあった女学校の校長先生)に感謝の気持ちを込めて、「我が愛をあなたに」という意味の「Aloha Oe(アロハ・オエ)」を黒のエナメルで彫ったブレスレットをプレゼントしたのです。

そしてアトキンソン先生が学校にこのブレスレットを着けていったため、女生徒達が真似をして似たようなブレスレットを身に着けるようになり、ハワイ中にこの流行が広がっていきました。

親から子供へ、子供から孫へ、はたまた恋人たちで。
こうして大切な人へジュエリーを贈る習慣がハワイ中に広がり、ハワイアンジュエリーのステータスが確立していきました。

100年以上たった今でも「ハワイアン・エアルーム(財産・宝物・代々受け継がれていくもの)・ジュエリー」と呼ばれ、永遠の思い出やアロハスピリットの象徴的な存在として大切にされています。

家族や友人、恋人への愛情や想いを表現するもの、それがハワイアンジュエリーのスピリットです。
こうした長い歴史が物語るように、どんなことにも時を超えて愛される理由が必ずそこにあります。

そして当店では幅広いラインナップのハワイアンジュエリーを取り扱っております。

「大好きな方あの人に想いを伝えたい」「この思い出をずっと残しておきたい」そんな時はぜひ当店をご利用下さい。
大切なおふたりを繋ぐ懸け橋になれるよう常にお客様の気持ちに寄り添ったサービスを心掛けて参ります。