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転んで膝を強く打ちつけたり、日ごろから膝をつく姿勢(例えば床掃除など)をとっていたりすると、摩擦を軽減させる役割の滑液包が炎症を起こして「滑液包炎」になります。
捻挫や打撲、重心の乱れなどが原因になることが多いです。
滑液包炎にはいくつか種類があります。
膝蓋前滑液包炎
膝のお皿の前にある滑液包です。赤ちゃんがハイハイするときに膝を保護します。大人になってからはあまり負担がかかりませんが、床とこすれると炎症を起こすことがあります。3つの滑液包がありますが、断裂すると1つになって大きく腫れます。抜いても抜いてもまた腫れて慢性化することが多い滑液包炎です。
膝蓋下滑液包炎
膝のお皿の下にある滑液包です。小さな滑液包が3つあります。あまり腫れたり痛んだりすることはありませんが、膝が弱くなると徐々に腫れてきます。
膝窩嚢胞
ベーカー嚢胞とも言います。膝の裏の滑液包が炎症を起こします。膝の関節腔とつながっていることがあるので、膝に水が溜まるとベーカー嚢腫が腫れます。女性に多く、変形性膝関節症やリウマチに併発します。正座の時の違和感が一番強い訴えです。手術をするとなると半月板や軟骨の削除も一緒に行うことが多いので、とても大がかりになります。通常はそのまま経過観察をします。
鵞足滑液包炎
膝の内側が痛む患者様のほとんどがこの滑液包炎です。ランナーや膝の変形がある患者様に多い滑液包炎で、レントゲンで発見できないのでそのままにされる率が高い滑液包炎です。エコーで左右を確認すると異常を発見できます。ハムストリングの短縮が一番の原因です。
膝蓋上嚢炎
膝のお皿の上にある滑液包です。膝が弱くなると腫れます。90パーセントは膝の関節腔とつながっているので、膝に水が溜まると始めに腫れます。エコーで確認すると時々関節腔とつながっていない場合があります。そう言った場合は痛みが強くなる傾向が多い滑液包炎です。